21日目

  • On 2018-02-21 ·

ブログを書かなかった1週間で、満腹になった情報が少しずつ消化されて楽になった。美術館やギャラリーをいくつも回ってみたけれど、結局のところ、今回の自分の滞在のゴールを何にしようか、ずっと考えていた。私は東京にいるとき、本や新聞を求めてよく国会図書館に行く。3日から1週間くらいほとんど毎日通って、考えごとをするためにテキストを探す。今回もいつものように、リトルトーキョーの図書館に行って、手書きの同人誌「南加文藝」を端から読み漁った。それはロサンゼルスで最も長く1960年〜80年頃まで続いたというだけあって、大量だった。ほんの出稼ぎのつもりで来た日本人がずいぶん長くこの地に残ることになった郷愁の詩や、まだ生々しい収容所暮らしを舞台にした小説などが多くの作者によって、日本語で延々と綴られていた。そのあとロサンゼルスの大きな中央図書館に行って、そこで図書館カードを作って1日過ごした。

最終的に私が決めたことは、この文章をもとに本を残しておくことだ。昨日までは小さな作品を滞在中に作れるかな、と少しは本気で考えていたけれども、心変わりしたのにはいろいろな要素が後押ししてくれたと思う。そのことについては次の稿から順番に書いていく。
私はまず初めに、グラントに相談するためにテキストを打った。
「私は気が変わった。ショーイングの代わりにバイリンガルのブックレットを作りたいと思う。滞在の最後のイベントは気軽なレセプションにしたい。だから場所はこだわらないのでどこでもいい。短いプレゼンテーションを準備しようと思う。どう思う?」と送ったら、数秒のうちに返事が来た。彼は大賛成。よかった!

とにかく、これから書くこと以外に制作はしない。だから、ホームセンターに行ったりスタジオに籠って作業をしたり、撮影と編集のために日夜を潰さなくて良くなった。いろいろな場所に出かけて人と会うのを諦めなくて済む。ただ、そのブックレットをここに残していくために、書くことは急がなくては。