BOMBSONG

2008年3月 初演
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場

国際ドラマリーディングフェスティバル 特別本公演

 名もなき誰かのつぶやくような言葉によって紡がれていく、平和と安定と豊かさの幸福。資本主義社会の中で自動的にもたらされた恩恵と、行き場のない使命とのあいだでひとり崩壊する精神。自爆へ向かう少女は、世界の終わりを夢みていた。

 2005年に演出家・阿部初美氏監修のもと、共同演出でリーディング公演を行うプロジェクトに参加した。『BOMBSONG』というドイツ生まれの未知なる戯曲を巡って、翻訳家・ドラマトゥルク・美術家・俳優のチームがリサーチやディスカッションを行い、日本初演に至った。
その後、上演台本を引継いで約3年間にわたり再演、リ・クリエイションを重ね、結果的に独自の演出プランへと発展した。

 ——明日の朝、わたしは電車に乗る——
 この作品を通して観客は<俳優>という他者に出会い、きっと解けない永遠の問いを得る。明日犯行に向かう隣人と共に過ごし、いま、ここで彼女の人生の話を丸ごと聴いたとして、彼女の明日のために、何ができるのだろう。

<本公演 オリジナルキャスト・スタッフ>

作:テア・ドルン 
翻訳:林立騎
演出:坂田ゆかり
監修:阿部初美

出演:稲継美保、阿部崇子(花伝[KADEN]シアターカンパニー)
映像:衣袋宏輝
照明:木下尚己((株)ファクター)
音楽:上野紘史
音響:田野倉宏向
美術:森純平、津田仁葉

主催:APA芸術振興協会、川崎市アートセンター
共催:ドイツ文化センター
助成:芸術文化振興基金
後援:「しんゆり・芸術のまち」PR委員会