今日は、エルサレムで出会った日本人女性の山田しらべさんが南の村に連れて行ってくださることになった。彼女はパレスチナ伝統刺繍などの工芸品のフェアトレードのお仕事をしている。とってもとっても素敵な方。
「ラマッラーだけを見てパレスチナと思ったらもったいない」というお言葉に甘え、完成品の買い入れに同行させていただいた。
エルサレムからヘブロンへ続くバイパス道路を車で約1時間。
この道路は、入植者の交通のために建設された。入植者とは、パレスチナ自治区の中に勝手に住み始め、「入植地」と呼ばれる自分たちの町を勝手に作るイスラエル人のこと。
勝手、というのはもちろんパレスチナ人からの見方。入植者から見れば、入植はれっきとしたイスラエルの政策。開拓者の気概をもって移り住んでくるのかもしれない。両者の思いは食い違い、イスラエル人入植者とパレスチナ住民との衝突は絶えないという。入植地は現在も増え続け、深刻な問題になっている。
突然の訪問にもかかわらず温かく迎えてくれた女性達。
都心とは装いも全く違う。
自立した産業が少ないパレスチナでは、財政の大部分を他国からの援助に頼っている。しかし、この村には女性達が家の仕事をしながら手工業を営むことができるようなシステムがある。
働くことが人々の暮らしにとても重要な役割を果たしている。
この場所は、たくさんの女性が登録するセンター。最終仕上げの工場を兼ねている。女性たちは刺繍のパターン指示書と生地を持ち帰り、家で働きながら技術を磨くことができる。
それにしても美しい柄の数々。
この伝統技術と女性達のおしゃれ心が村の生活を支えている。