羅生門|藪の中

2014年11月
あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)

フェスティバル/トーキョー2014メインプログラム『羅生門|藪の中』は、パレスチナのアルカサバ・シアターと日本のチームとの国際共同創作。原作は今昔物語にもとづく芥川龍之介の小説「羅生門」と「藪の中」、それらをもとに新しい展開を生み出した黒澤明の映画『羅生門』、さらに映画の世界的ヒットを受けてブロードウェイで舞台化されたアメリカの戯曲『Rashomon』。今回の上演はそれら全てを参照した新たな翻案となった。「パレスチナの恒常的な占領に、遠く離れた日本人は加担していないと言えるだろうか」と作品は問いかける。無知、無関心、無視によって長期化・深刻化していく問題を、「藪」と称して舞台上にあぶり出し、容疑者全員が「自分がやった」と言い出すに至る、現状に逆行したユートピアを描く。

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アーティスティック・ディレクター:
ジョージ・イブラヒム(アルカサバ・シアター)

演出:坂田ゆかり

美術:目

ドラマトゥルク:長島 確

原作:芥川龍之介「羅生門」「藪の中」

参考:『羅生門』(脚本:黒澤 明、橋本 忍)、
『Rashomon- A Drama in Two Acts』 (Fay Kanin and Michael Kanin)

出演:アディーブ・サファディ、アタ・ナーセル、ヘンリー・アンドラーウィス、フサーム・アル=アッザ、ムアイヤド・A・サマド、シャムス・アースィー、ヤスミーン・カダマーニー

照明デザイン:ムアッズ・ジュバ

選曲:ザーヘル・ラシュマーウィ

音響:相川 晶(有限会社サウンドウィーズ)

音響操作:畠山慎一

振付:酒井幸菜

衣裳:藤谷香子(FAIFAI)

美術制作:櫻井駿介

美術制作スタッフ:牛山秋良、市川ヂュン、森屋充正、小幡友夏、比企恵里花、野地真隆、直林朋栄、吉田尚弘

技術監督:寅川英司

技術監督アシスタント:加藤由紀子

舞台監督:佐藤 豪

演出部:大久保 遼

美術コーディネート:中村友美

照明コーディネート:佐々木真喜子(株式会社ファクター)

音響コーディネート:相川 晶(有限会社サウンドウィーズ)

字幕:幕内 覚(舞台字幕/映像 まくうち)

アラビア語台本:ジョージ・イブラヒム(アルカサバ・シアター)

翻訳・通訳:橋本琴音、渡辺真帆

制作:河合千佳、砂川史織

企画:ジョージ・イブラヒム(アルカサバ・シアター)、
フェスティバル/トーキョー

製作・主催:フェスティバル/トーキョー

あらすじ

羅生門の下でジャーナリストが雨宿りをしている。門番が現れ、通行証を見せろと詰めよる。門に棲む鬘屋も加わり、3人は今朝の新聞に書かれたある殺人事件について話し始める。その事件とは、藪の中で発見された死体をめぐり、関係者全員が「自分が殺した」と証言するというものだった。見えない真実を前に、ついに羅生門の下の3人までもが自白を始める。そして混沌とした状況は、突如、パレスチナの詩人ダルウィーシュの言葉によって締めくくられる。